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Peter, August 15 2023

クラフトビール醸造所の立ち上げ計画と現実:7割が遅れを経験

この記事でわかること

醸造所の受注や酒税管理システムを提供しているBest Beer Japanのアンケートによると

・醸造所の立ち上げには平均21ヶ月かかる
・回答者の約7割が元来の立ち上げ計画から遅れたと回答
・遅れる理由は「醸造設備関連」、「資金調達」、「場所・物件関連」が多い

以下、アンケート結果も含め詳細に見ていく

Best Beer Japan 株式会社が先日書いたクラフトビール設備会社の比較記事はこちら



醸造所立ち上げの工程

1. 事業計画の準備

醸造所立ち上げのために具体的な事業計画を立てる必要がある。事業計画書には、醸造所の立地、設備、醸造するビールの種類、生産量、販売計画などを詳細に記述する事業計画書などを詳細に記述する。今後のすべてに関わってくるため、とても重要な工程であると言える。

2.資金調達

醸造所立ち上げのためには一定のまとまった資金が必要になる。基本的には銀行融資などが多いので融資を受けるための書類の準備なども必要。

3.醸造免許の申請

準備が整ったら、国税庁に対して醸造免許の申請を行う。申請には、事業計画書や醸造技術の証明、醸造所の設置状況を示す書類などが必要。

4.醸造場所の選定

醸造場所の選定においては排水の問題など、自治体によって決まりが違っている場合があるため、それらをよく確認することが必要になる。

5.醸造設備の手配と設置

国税庁は、醸造所の設置状況を審査する。醸造所は、法律で定められた基準を満たしていなければならない。

6.醸造研修

醸造免許を取得するには、一定の醸造技術が必要とされる。この技術は、醸造学校や他の醸造所での研修などを通じて取得できる。

7.販売準備

事業計画の作成の際にも販売計画は必要だが、具体的なラベルデザインやコンセプトなど、販売のための準備が必要になる。

※上記以外にも様々な書類等が必要になるため、詳細は国税庁ホームページや各自治体を参照し確認してください。


Best Beer Japanによるブルワーへのアンケート

Best Beer Japanの醸造所管理ソフトを使っているお客様に対して29社からアンケート回答があった。

▼アンケート概要
・有効回答数:29名
・アンケート時期:2023年7月~同8月

(1)事業計画~販売開始までは平均21ヶ月
▼ポイント
・事業計画~販売開始までは平均21ヶ月かかる
・平均的に時間がかかるのは「醸造設備の手配と設置」、「資金調達」、「醸造免許の申請」などがあげられる

  ▼立ち上げまでの時間_計画と実際


  ▼各工程にかかった時間


■全回答の平均時間
・事業計画~販売開始まで:21ヶ月
 ├・1.事業計画の準備   :3ヶ月
 ├・2.資金調達      :5ヶ月
 ├・3.醸造免許の申請   :4ヶ月
 ├・4.醸造場所の選定   :3ヶ月
 ├・5.醸造設備の手配と設置:9ヶ月
 ├・6.醸造研修      :7ヶ月
 └・7.販売準備      :2ヶ月

※全回答の平均値で算出しています
※同時並行で進めている工程もあります.


(2)予測より時間がかかった醸造所は72%
▼ポイント
・72%の醸造所は計画よりも時間がかかる
・計画よりも遅れた、と回答した醸造所においては平均5ヶ月遅れる
・一番計画よりも遅れた醸造所は12ヶ月も遅れたと回答した

上記より、当初の予測よりも期間がかかった、と答えたブルワリーは7割超もいた。
従っていかに予測通りに進めることが難しいかがわかる。
最も予測と実際の差分が大きかったブルワリーは12ヶ月も遅れた、という回答もあった。
準備の期間は余裕をもって見積もっておいた方が良いことが伺える。


(3)予測よりも時間がかかった理由で一番多かったのは「設備関連」
▼ポイント
・予測よりも時間がかかった理由で一番多かったのは「設備関連」であった
・次点で「資金調達関連」、「場所・物件関連」、「免許申請関連」と続く

▼アンケート内で得られた注意点とアドバイス
■設備関連
・立ち上げた後の設備の不具合に対処することが、金銭的にも精神的にも大変
・醸造に関わる、冷却配管や蒸気配管等、付帯設備の工事で、かなり追加コストがかさんだ
・醸造所での長い勤務経験がない場合は、必ず研修を行った後に設備の選定をした方がいい

■資金調達関連
・予定よりも輸送費や設置費、設備工事費など、実際に施工すると予算より多くかかることの方が多かった
・資金調達で、保証協会に醸造免許がないところには貸せないと言われ、話が通じなかった例もあった
・補助金採択に時間がかかり、その後の資金調達にも時間がかかった。

■場所・物件関連
・広さ、高さだけではなく、上下水道、ビルに入っている電力量など全てを満たす物件を見つけるのに苦労した
・工場は使ってみないと使い勝手がわからない
・農地法、市街化調整区域での醸造所建設は確認したほうがいい

■免許申請関連
・銀行融資を依頼するときに事業計画が必要になるが、何度も書き直すことになる。また、金融機関は最初の印象が大切なので、事業計画を見てもらう人がいると良い。

▼その他Best Beer Japanのお役立ち記事
新規醸造所立ち上げ時のよくある注意点まとめ
免許申請について
設備購入について
材料購入について
・今回のアンケート回答者に詳細インタビュー (COMING SOON)

Best Beer Japan株式会社について

Best Beer Japanはビール造りに集中できるように醸造所のバックオフィスを支援しております。
サービス内容:
バックオフィス業務を自動化できる醸造所管理システム
新しい販路に繋がるクラフトビールECプラットフォーム
物流コストを半分にできる樽シェアリングサービス
また、100社以上の醸造所と取引があり、酒税の申請を半日から30分まで減らす実績があります。ご興味がある場合は下記からデモのスケジュール調整ができます。https://www.bestbeerjapan.com/#contact_anchor

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Peter

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