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この企画は酒税の申請を半日から30分まで減らす実績があり、60社以上の醸造所と取引がある醸造所の管理システムを作っているBest Beer Japanが全国のブルワーさんにインタビューを行い、立ち上げ時の注意点や困ったことを聞いて新規醸造所を立ち上げる方々に向けて発信している。
愛知県長久手市で2022年8月に醸造を開始したTotopia Breweryのブルワー、森田純矢氏に特に醸造免許申請時の注意点や感じたことなどをヒアリングさせていただきました。
※先日Best Beer Japanがまとめた免許取得の注意点記事はこちら
■免許申請に関する考えや経験
・免許申請は一番大変、立ち上げの際にはそこをどうクリアしていくかという空気感が業界的にもある
└実際にほかのブルワーに話を聞いても免許取得が一番ハードだという方が多い
・イメージされる免許申請と実際に申請してみるのではギャップがあるように感じる、
├土地、機械など、準備するものが多く税務署的には次のステップに行けるがブルワリーマターで時間がかかることが多い
├かといって、すべてそろえた後で申請すると要件にあっていない場合は手戻りが起こったりするのでそこも難しい
└実際に森田氏の場合は予定していた土地が急遽利用できなくなり、再提出が必要になってしまった
・申請の上で大事で準備しておくべきことは3つ
(1)醸造能力(帳簿を書くことも含む)
(2)販売能力(造るほうも売るほうも両方)
(3)個人及び法人の経歴(納税ができているか、犯罪歴がないかなど)
・これがしっかりそろっていれば突っ込まれることは少ないのではないかと感じる
・(1)の醸造能力に関しては他のブルワリーでの研修などで経験を積むのが一般的
・むしろ、この観点で突っ込まれることが多い
・立ち上げの際の自身の考えを再度数字に落とした時にイメージとのギャップがあり、苦しむこともあるので注意が必要
・例えば1バッチ500Lで本当に年間最低醸造量をクリアできるか、などの疑問が上がる
■外的要因の考慮
・また、地域的にブルワリーがあるかどうかというところも免許取得を左右してくる
├有名なブルワリーがあれば、前例があるのでスムーズにいくこともあるが前例がないと税務署側にも知識が少ないこともあるのでスムーズにいかないこともある
├申請の手前の相談の段階で突っ込まれると時間がかかるため、隙を見せないことが大事
├経験がない方が新規参入する場合にはとりあえず税務署ではなく、知見のあるブルワリーに聞いてから準備していくほうが良い
├多くの地域では醸造というと日本酒が基礎知識となるため、保健所などからの指摘で不要なスペースなどもつくらされる可能性があるので注意が必要
├印象的には税務署よりも保健所のほうが地域によってブレがあるように感じる
└国税局の担当者は知識もあり、定期的に勉強会なども開くなど、ブルワーの立場で見てくれるという印象が強かった
・そもそもすぐにできるものではないし外的要因にも左右されるので最低でも醸造開始までには1年~2年はかかる、と思っておいたほうが良い
└実際に森田氏自身も1年くらいで醸造開始できると思っていたが無理だった
・さらに醸造を開始した後も提出する書類の書き方などで苦労する方は多いため、事前にブルワーに聞いておけるとよい
■その他感じること
・一口に醸造所といってもいろいろな形があるので税務署側とオープンに話せる場があるといいのでは
├醸造所、税務署ともにそれぞれの課題がある中で免許取得という目標は共通のものを持っている、ここにミスマッチが起きているように感じる
└情報共有などができる場が増えれば双方にとって良いものになっていく気はする
・免許を取って以降も書類提出などがある中でその書類がどこにあるのかがわかりづらい
・ガイドラインみたいなものが一元管理されていたり、記入例みたいなものがあればいいと感じることがある
・新規参入者の特にライトな層に対して、簡単に必要な情報が参照しづらく、手前で「それでもやりたい、やれる」と感じるか否かの判断がつきづらい
├現状ブルワリーに聞くのが早いが、ライトな層はなかなか聞きづらい
└申請時点の書類においてどの部分は空欄でも進むのか、どの部分がマストなのかがわかるだけでも助かるように感じる
※Totopia Breweryの情報はこちら
1. 醸造所開始は1 ~ 2年間がかかる
2. 基本的には税務署と話す前に一度他のブルワーと話して流れを聞いておくほうが良い
3. 事業計画の数字とストーリーのロジックを統一させる
4. 申請の時に最も大事な醸造能力(帳簿を書くことも含む)と販売能力(造るほうも売るほうも両方)ができることをアピールするためにBest Beer Japanの醸造所管理システムを検討する
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