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醸造所立ち上げの中でも苦労することの一つといわれているのが「醸造免許の取得」である。50社以上と取引している醸造所の管理システムを作っているBest Beer Japanがクラフトビール醸造免許の取得に関しての注意点や留意点をまとめてみた。新規醸造所の立ち上げを考えている方はぜひ参考にしていただきたい。
醸造免許の取得においては以前、Best Beer Japanが行ったの醸造家へのインタビューの中でも複数の醸造所が注意したほうがいい、と話していた。
▼先日インタビューにご協力いただいた醸造家の方々
・NUMBER NINE BREWERY 斉藤 健吾氏
・BREW CLASSIC 酒尾 壮典氏
・合同会社ミチクサ 江藤 彰洋氏
・米沢ジャックスブルワリー 槙山 秀都氏
・Far Yeast Brewing 山田 司朗氏
・静岡醸造 福山康大氏
例えば合同会社ミチクサの江藤彰洋氏は「免許に必要な事業計画や実技研修の証明をしてくれる人に前もってしっかり相談しておかなければ、免許の申請や発行が遅れ、事業計画自体もビハインドしてしまう可能性がある」と語っている。
単純な書類の提出だけではなく、技術や資金、事業計画も含めて「この人にアルコール飲料を製造させてもよいか」という観点でチェックされるため、これらの免許を取るために必要なことを事前に知らないと思わぬところで後れを取ってしまう可能性もあるのだ。
ここからは免許取得における流れや注意点などを整理していきたい。
■免許の種類
クラフトビールの醸造においてはビール製造免許と発泡酒製造の2種類の免許がある。
上記の通り取得する免許によって作ることができるビールの内容が変わってくるため、選び間違えると自分の作りたいビールが作れない可能性がある。また、事業計画に記載した量のビールを醸造できることを明確にしないと免許が取得できなくなる点にも注意が必要である。
■免許取得の流れ
免許の取得は醸造を予定している市区町村などの税務署にて手続きを進めるのが前提となる。(詳細は国税庁ホームページを参照)
その上で申請者の
・法律の遵守状況
・経営の基礎の状況
・製造技術能力
・製造設備の状況
・最低製造数量基準(上述)
などを審査するとのことである。
加えて、これらの要件に対して拒否要件というのが設けられており、この拒否要件を理由にを理由に免許の交付を認められない場合があるので事前にチェックしておくと良いだろう。
また必要書類を調べてみてもかなり量が多くなってしまうため、スケジュールや準備する順番なども事前に確認しておくとよいだろう。
1 類酒類製造免許申請書
2 酒類製造免許申請書チェック表
3 製造場の敷地状況
4 建物等の配置図
5 製造法
6 製造場の設備の状況
7 事業の概要・収支の見込み・所要資金の額及び調達法
8 酒類の販売管理の方法
9 誓約書(欠格事由に該当しないこと)
10 誓約書(担保提供承諾)
11 申請者の履歴書(法人の場合は役員全員)
12 住民票
13 定款(法人)
14 登記事項証明書(法人)
15 契約書等の写し(土地・建物・設備等が賃借の場合)
16 地方税の納付証明書
17 直近3事業年度の財務諸表
18 酒類の製造について必要な技術的能力を備えていることを示す書類
19 土地・建物の登記事項証明書
20 申請者の酒類製造場についての書類
(実際の必要書類は各自治体に確認するのがよいだろう)
■免許取得の際の注意点
①事前に事業計画は綿密にしておく
免許取得に際して特に重要なのは「事業の概要・収支の見込み・所要資金の額及び調達法」である。
ビジネスとしてクラフトビール事業を展開していく上でも必要だが免許取得の際にも事業計画は重要だということはBest Beer Japanのインタビューでも多くの醸造家が語っていた。常に状況が変わりゆく昨今において、様々な観点で綿密な事業計画が必要になってくる。
②醸造経験の際の免許取得手順の確認
醸造免許を取る場合には一定の醸造経験、または技術的に醸造免許交付に足る経験が必要である。
「酒税法第10条12号 技術・設備要件」においても拒否要件として「酒類の製造について必要な技術的能力を備えていないと認められる場合」とある。
そのため、受け入れ可能な醸造所に一定住み込みなどで醸造経験を積みながらノウハウなどを学ぶのが業界の中でも多い流れになっている。
可能であればその際に免許取得に必要な書類や手続きについて確認してみると良いかもしれない。
静岡醸造 福山康大氏のインタビューにおいては「複数の醸造所で経験を積んだからこそ酒税帳簿や免許の書類など必要書類をスムーズにそろえることができた」という話があった。醸造経験を積みに行く際はぜひ免許取得の観点で何が必要か、なども踏まえて学びに行くのが良いかもしれない。
③各自治体ごとの決まりなどは相談しながら把握しておく
排水条件のような各自治体ごとの決まりがいくつかあるため、免許申請をする各自治体には密に連携を取っていく形になるが事前に自治体の決まりなどは把握しておくほうが良い。米沢ジャックスブルワリー 槙山 秀都氏へのインタビューにおいて「用途地域の確認は地域を選ぶうえで必ず確認しなければならない」と立ち上げ時の注意点として 挙げていた。思わぬところでスケジュールが遅れてしまうことにもつながるため、場所や進め方などは事前に把握しておくことが重要だといえる。
細かい注意点はまだまだ多くあるが、具体的な部分に関しては経験が多い醸造家や各自治体に確認しつつ、醸造所の立ち上げを進めるのが良いだろう。
ビールの醸造免許は大きく二つあり、取得する免許によって必要要件が異なる
免許取得時には国税庁が定める拒否要件に当てはまらないように各種準備が必要
免許取得時の注意点
①事前に事業計画は綿密にしておく
②醸造経験を積ませてもらえる醸造所に行く際に免許手順も確認しておく
③各自治体ごとの決まりなどは相談しながら把握しておく
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ITを使って日本のクラフトビール市場を支援しています。
今回の醸造免許取得だけではなく、醸造所での業務はまだまだペーパーワークが多い状況です。
Best Beer Japanはそんな業界の問題をITで解決し、醸造家の方々がよりおいしいビール造りに専念できるようなサービスを運営しています。
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